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実践栄養学 第14回講義内容

【各担当教員による講義】

①食事摂取基準の概要
  近年、私たち日本人を取り巻く食環境は大きく変わり、それに伴って栄養上の問題も変化しつつあります。栄養所要量が日本で初めて策定されたのは昭和16年、当時のものは栄養欠乏対策にありました。戦後、私たちの食生活は改善され、欠乏症は激減しましたが、一方、過剰栄養や栄養のバランスの乱れにより生じる生活習慣病が増えて参りました。最近ではサプリメントや栄養剤など特定の栄養成分の補強を目的としたいわゆる栄養補助食品が手軽に購入できるようになり、その需要も年々高まりつつあります。
  このような食生活の変化から生じるさまざまな問題に対応しつつ、食事摂取基準(栄養所要量)はこれまで数十回にわたり改定が重ねられてきました。現在、最も新しい「食事摂取基準」は、2005年4月から2010年3月(平成21年度)までの5年間使用されます。欠乏症の予防だけでなく、生活習慣病の一次予防ならびに過剰摂取による健康障害も視野に入れた広い意味での健康増進を目的としています。

②5つの指標
  「食事摂取基準」で設定されている指標は5つです。
○推定平均必要量(EAR)
  特定の性・年齢階級に属する人々のうち、50%の人が必要量を満たすと推定される1日の摂取量です。
○推奨量(RDA)
  特定の性・年齢階級に属する人々のうち、ほとんど(97〜98%)の人が1日の必要量を満たすと推定される1日の摂取量です。原則として、「推定平均必要量+標準偏差の2倍(2SD)」で求められます。
○目安量(AI)
  特定の性・年齢階級に属する人々が、良好な栄養状態を維持するのに十分な量をいいます。目安量は健康な集団に対する調査結果に基づいて設定された値です。
○上限量(UL)
  特定の性・年齢階級に属するほとんどすべての人々が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない摂取量の最大限の量です。
○目標量
  長期間にわたる調査研究の結果に基づいて求められたものであり、生活習慣病の一次予防を特に重視し、これに対応するために設定された指標です。循環器疾患(高血圧、高脂血症、脳卒中、心筋梗塞)、がん(特に、胃がん)、骨折・骨粗しょう症の一次予防に絞り込み、栄養素の種類は、蛋白質、脂質(脂肪酸)、コレステロール、炭水化物、食物繊維、カルシウム、ナトリウム(食塩)、カリウムについて設定されています。
  参考資料:食事摂取基準早わかり−献立かんたんガイド−